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1989年、フランクフルト・ショーにて発表された「フェラーリ 348」。「348」と言う車名の由来は自然吸気3.4リッターのクアッドカム、4バルブ/シリンダーV8エンジンを搭載していることに起因します。それらに続く「t」は横置き式トランスミッションであることを意味するイタリア語のTrasversale(トラスベルサーレ)、「b」 はクーペモデルを表すberlinetta（ベルリネッタ）、「s」はオープンモデルを表すspider（スパイダー）の頭文字をそれぞれとったもの。300 PSの出力を備えたエンジンは縦置きにレイアウトされMondialtのような横置きマニュアルギアボックスとされています。348tbが2,894台、348tsが4,228台が生産されました。1990年に正式輸入が開始された日本での販売価格は1,650万円。旧型、328から全面的に改良されたそのボディデザインは、前作同様にピニンファリーナのレオナルド・フィオラヴァンティによるもの。サイドのエアインテークが大型なフィン付きタイプへ変更され、テールランプもルーバー越しの異形タイプに変更されるなどテスタロッサをかなり意識してデザインされており大幅に近代化したと言えるでしょう。348シリーズ最大のトピックは長年、鋼管スペースフレームを基本骨格としていたフェラーリが一部にその仕様を残しつつもより一般的なモノコックフレームへと進化した事が挙げられます。

そして、搭載されるパワーユニット「F119D」は90度V型8気筒DOHC4バルブの構造を継承。内径85mm×行程75mm、3,405ccまで拡大されボッシュ製モトロニックM2.5で制御され、最大出力300PS/7,200rpm、最大トルク33.0kgf·m/4,200rpmを発生。91年モデルへの年次変更で制御システムがモトロニックM2.7に変更されエンジン型式も「F119G」に変更、ツインボッシュモトロニックECUと二重冗長アンチロックブレーキシステム、そして自己診断型の冷暖房システムを使用したデュアルコンピューターエンジン管理が装備されます。尚、対策部品として信頼性の高いデンソー製のオルタネーターが用いられる事があり



また、テスタロッサと同様に、エンジンオイルとクーラントラジエーターがノーズからサイドに移動されており、車の全幅が大幅に広がっていますがホースが温水をルーティングするため、キャビンの冷却が容易になり旧型のフロントラジエーター車の様なキャビンの下を取り回す事が無くなりドアが非常に広くなるという副作用もあった。

348にはドライサンプオイルシステムが装備されており、高速時やハードコーナリング時のオイル不足を防ぎ、この設定により、エンジンが作動しているときのみ、オイルレベルをディップスティックで正確に確認できた。348には、メンテナンスのためのエンジンの取り外しをスピードアップするために、調整可能な車高サスペンションと取り外し可能なリアサブフレームが取り付けられた。また、348シリーズはエンジンの搭載方法が変更されており、308/328が横置きだったのに対し縦置きに変更、重量バランスの最適化が図られた。また、トランスミッションは横置き式が採用されている。ブレーキシステムは前・後共にベンチレーテッドディスク式。最高速度275km/h、0-100km/h加速5.6秒、0-1000m加速24.7秒。